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激辛ドラマーの藤崎涼です。
海底撈 筷手小厨 “川式 回鍋肉” 四川ホイコーローの素(Magic Cook 川式 回鍋肉調味料』
世界中に1,400店舗を展開し、日本国内にも支店を持つ中国の人気火鍋チェーン『海底撈(ハイディーラオ/Hai Di Lao)』。その「回鍋肉(ホイコーロー)の素」が売られていたので、購入してきました。
海底撈は実店舗の火鍋もおいしいですし、私自身も火鍋の素を愛用しており、信頼を置いているメーカーです。
以前、海底撈の同シリーズ『Magic Cook 筷手小厨 川式 麻婆豆腐』を食べたこともありますが、あちらは「まあ普通だったかな」という感想でした。⬇︎
さて、今回の回鍋肉はどうでしょうか。
購入場所と価格
横浜中華街にある中国人向けの食品店『ワンワン生鮮市場』にて、税込149円で購入しました。
Amazonでも税込168円で販売されているようです(2026年1月現在、送料別)。手に取りやすいお手頃な価格帯ですね。
パッケージ・原材料チェック:隠された「中国仕様」の正体
パッケージには、「旨みとコクの三段重ね! 豆板醤 × 黄豆醬 × 甜麺醤 3種の味噌でコクと旨味を引き出しました。」というキャッチコピーが躍っています。

よく見ると、日本語の部分はステッカーが貼られているようです。中国語パッケージの上から日本語のステッカーを貼って日本市場仕様にしているのです。 そういえば、麻婆豆腐の素の時もそうだったっけ。
気になったので全て剥がしてみたところ、面白い発見がありました。


中国語版では、「四川産紅油豆板醤、北方黄豆醬、北方甜麺醤を特加(特別ブレンド)」と書かれていました。 「北方」とは中国の黄河より北の地域(北京など)を指します。発祥の地である四川の味をベースにしつつ、中国全土で受け入れられるよう「北方の調味料」をミックスしてアレンジしているということでしょうか。
日本語と中国語の原材料を比較してみます。
=日本語⬇︎=

=中国語⬇︎=

日本語表記の原材料で最も多く使われているのは、なんと「コリアンダーオイル(パクチーオイル)」。なんだそりゃ? そんなオイルあるんだ???
ところが、中国語表記を確認すると、そこには単に「植物油」との記載が。想像するに、この「コリアンダーオイル」は、中華料理でよく使われる、香味野菜(ネギやパクチーの根など)で香りをつけた油のことだと思われます。なのでパクチーから抽出したとか、パクチーの味がするとかいうわけではなく、単に香味オイルということかもしれません。
あと、砂糖や甜麺醤が使われているのでちょっと甘さがあるのではないかという心配はあります。
他にも料理酒の有無など、日本語訳と中国語原文で若干の差異が見受けられますが、そのあたりは よくある中国製品のご愛嬌として流しておきましょう。
原材料的には若干四川のスタンダードなレシピにアレンジが加えられている感じがします。
実は、回鍋肉の元祖を辿れば、味付けは豆板醤と塩気がメインで、甜麺醤は入れないのが本来の姿です。しかし、この『海底撈』の素には甜麺醤や黄豆醤や甘めの中国醤油なども使われており、現代の中国全土、あるいは世界中で好まれる『甘辛くてコクのあるリッチな味』に寄せているのかもしれません。
海底撈は四川創業ですが、関連会社の「頤海(イーハイ)国際」(調味料部門)は北京に拠点を置いて世界的に展開しており、この商品も上海に近い安徽省で製造されているようです。なので純粋な「四川の地元の味」というよりは、グローバルに最適化された味作りを目指しているのかもしれませんね。
海底撈は、1994年創業で、わずか30数年で全世界に1,400もの店舗を構えるようになったということで、すごいとしか言いようがありません。
味はもちろんですが、お店でのユニークなサービス(従来の中国では考えられないようなサービスとホスピタリティ)がウケたのでしょうねw⬇︎
創業者の信念は『火鍋の味はどこも似ているが、他では真似できないサービスを提供する』というものらしいです。 素晴らしいですね。
ちなみに、海底撈って高級店な位置付けなんですよね。お店にいくと意外と高づくのですよ。それでサービスが悪かったらだめですね!
作り方の比較:日本式 vs 四川式
パッケージに記載された作り方にも、興味深い違いがありました。
=⬇︎日本語での作り方=

=⬇︎中国語での作り方(ステッカーを剥がしたところ)=

日本語版(日本式アレンジ): 肉をそのまま炒めるだけの簡単な手順。日本で葉にんにく(蒜苗)が馴染みのないもので入手が難しいためか、『長ネギ』と『ニンニクの芽』に加え、「キャベツやピーマン」も推奨しており、日本の家庭でおなじみのスタイルです。
そう、日本ではホイコーローにキャベツやピーマンを入れるのが定番になっていますが、本場四川では、基本的には葉にんにく(蒜苗)だけしか入れないんですよ。 日本式の方が栄養バランスは良いですね。
中国語版(本来の四川式): 使う野菜は『葉にんにく』となっています。
そして「肉を塊のまま茹でてからスライスし、再び炒める」という 回鍋肉本来の工程が記されています。本来の回鍋肉は、豚肉を鍋で茹でた後に取り出し、同じ鍋を使って、豚肉と豆板醤などを炒めるという手間をかけるのです。 一度鍋で茹でた肉を再び同じ鍋に戻して炒める(鍋を使い回す?)ので『回鍋肉』という名前になったのです。
参考までに中国語の作り方を日本語訳しておきます。⬇︎
〜中国語版での作り方〜
1)豚バラもしくは豚もも肉250グラム、カットした葉にんにく約100グラム、ネギ、生姜、にんにく、料理酒を必要に応じて用意。
2)鍋に肉を入れ、肉が浸るくらいの水を入れ、生姜の薄切り少々、長ネギの小口切り、料理酒を入れ、沸騰したら10〜15分ほど茹でたあと、肉を取り出し、冷ましてからカットします。
3)鍋の中に少量の油を入れ、肉と生姜のスライスを入れ、肉が黄金色(きつね色)になるまで1〜2分炒めます。その後、余分な油は捨てます。
4)回鍋肉調味料を入れ、カットした長ネギと葉にんにくを入れ、火が通るまで炒めたら、皿に盛り付けて完成。
なぜわざわざ豚肉を「下茹で」するのか?
しかし、一度茹でた豚肉を再度炒めるなんて、手間だけかかってめんどくさいと思いますよね?実際、日本の作り方だと単に肉を炒めるだけになっているので、「それでいいんじゃん!」って思いますよね。
しかし、その工程には重要な意味があるようです。
- 余分な脂を落とす: 豚バラの脂っこさを抑え、アクや臭みを除く。
- 食感の向上: 一度茹でて締まった肉を炒めることで、タレが絡みやすくなり、プリッとした独特の食感が生まれる。
というのが下茹でする理由なんだそうです。
回鍋肉に使う肉は、実は塊のまま茹でるのです。基本的には回鍋肉には皮付きの豚バラ肉を使うことが多いのですが、豚バラって脂が沢山ついてますよね。一度茹でることによって、余計な脂を除き、さらに豚肉のアクや臭みを取り除くという意味があるそうなんです。下茹での時に長ネギと生姜を入れるのは臭みを取るためです。まあ、日本の国産豚を使えばそこまでする必要はないとは思うのですが、余計な脂を除くということは大切なのかもしれません。 そもそも回鍋肉は油を使って調理するので、豚バラの脂と植物油のダブルでくどくならないように、豚の脂を落とすのかもしれません。(僕としてはその脂が好きではあるんですがね・・)
本場の作法で作ってみた
今回は、あえて手間のかかる「本来の作り方」に倣って調理しました。
豚肉は塊ではなく豚バラスライスを使います。 “豚肉は10〜15分茹でる”とありますが、それは塊肉を使う時だけで、スライスで使う場合は数分煮ればいいと思います。
そして、もちろん葉にんにくを使います! 僕は麻婆豆腐用に冷凍葉にんにくを大量にストックしているんですが、今回はツアーの時に大阪の道の駅で購入した「生の葉にんにく」を指定通り100g投入しました。 国産の生の葉にんにくが入手できるのは今の時期(12月〜2月くらい)だけですからね!
出来上がりはこんな感じ。

完成した見た目はまさに本格派!
さっそく一口食べてみると……。
味の印象: 最初に塩気を感じますが、すぐに甘みが追いかけてきます。肉や油の甘さではなく、糖類や甜麺醤の甘さかな? 嫌な甘さではありませんが、万人受けを狙ったようなマイルドな味わいです。
辛さ: 非常に控えめ。ピリ辛さもほとんどなく、辛いのが苦手な方でも安心して食べられるレベルではないでしょうか。
シビレ: 回鍋肉はもともと「麻辣(マーラー)」を楽しむ料理ではなく、豆板醤によるダイレクトな塩気やコク、肉の旨味を楽しむ料理なので、花椒は使わないのが基本です。この商品にも花椒は入っていないようで、花椒の風味やシビレは感じられません。 ただ、回鍋肉には花椒もバッチリ合うので、僕は途中で花椒を振って味変しました。
おいしいんですが、辛味は弱めで、甘みもあり、マイルドな印象です。 四川風を基本としつつ万人ウケするようにアレンジしている感じでしょうか。
パッケージはもともと中国向けのものに日本語シールを貼って使っているくらいなので、商品自体は中国国内向けなんだと思いますが、中国国内でも辛いものを食べない地域はありますし、四川の伝統的な配合を、さらに中国全土や日本を含む世界向けに食べやすく整えたのかもしれません。
世界に展開する海底撈だからこそなのかも。

豆豉や唐辛子の種が出てきましたよ⬇︎

総評: 普通においしいのですが、個人的には糖類の甘さが少し気になりました。なので「白飯が止まらない!」という感じではありません。
今回はメイン料理として、回鍋肉と白飯だけで食べましたが、メイン料理としてではなく沢山並んだおかずの中の一品として楽しむのが良さそうです。
個人的なベストは、以前販売されていた『陳麻婆ブランド』の回鍋肉の素(砂糖・うま味調味料不使用)でしたが、現在は販売されていないようです⬇︎
実は、本場風の回鍋肉は簡単に作れる!
実は、本場風の回鍋肉の味付けは、単純に「ピーシェン豆板醤・豆豉・醤油・葉にんにく」があれば再現可能です。 ちなみに、甜麺醤は回鍋肉の伝統的なレシピでは入れませんが、四川の家常菜(家庭料理)では味のバランスを整えるために甜麺醤を混ぜてマイルドに食べやすくすることも多いです。(僕は甜麺醤は入れません。)
いちばん入手困難なのは『葉にんにく』かもしれませんね。 でも近年、日本でも国産葉にんにくはちらほら見かけるようになってきた気がします。(国産葉にんにくの流通時期は12月〜2月くらい)
「ピーシェン豆板醤・豆鼓・醤油・葉にんにく」・・・・・そう、麻婆豆腐の原材料ですね。
なので、回鍋肉の素の代わりに『陳麻婆豆腐の素』⬇︎を使っても回鍋肉ができちゃいます。
でも、僕は回鍋肉よりは断然麻婆豆腐派なので、麻婆豆腐の素では麻婆豆腐しか作りませんけどね。
あ、三明物産の『深層中華 麻婆ソース』を使って回鍋肉を作ってもいいかもしれませんよ!



