辛さ満足レベル:
旨さ満足レベル:
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日本ハムのロングセラー商品である麻婆豆腐の素(冷蔵)がリニューアルされていたので買ってみました。
この商品、以前は四川飯店グループのオーナーであった『陳建一』さんの冠で出していた商品ですが、昨年陳建一さんが亡くなられ、息子の陳建太郎さんが後を継がれたので、『四川飯店監修』と変えて継続販売したのだと思われます。
僕がこの商品のことをブログに書いたのはもう20年前になりますので、この商品は少なくとも20年以上のロングセラーを誇ることになります。





あらためて見直してみると、以前の商品は『陳建一』さんの名前だけを前面に出していて、”四川飯店”のロゴや名前はパッケージに出てきていません。しかも健一さんが着ている調理服も四川飯店ではなく、四川飯店グループの『スーツァンレストラン陳』の物です。 陳健一さんは四川飯店のオーナーシェフであるはずなのですが、きっと何か権利絡みとか使用料絡みで『四川飯店』の名前を出せない理由があったのでしょうね?
四川飯店の名前を出さずとも、陳建一さんの名前だけで売れたのかもしれません。
しかし今回から『四川飯店』の名前がロゴと共に前面に出されるようになりました。
そして四川飯店三代目として陳建太郎さんの名前と写真が出ています。

おそらく、陳建一さんの息子さんである陳建太郎さんはまだまだネームバリューがなく、『四川飯店』の名前を出さないとキツかったのかもしれませんね。
でも、建太郎さんは『3代目』としてしっかり修行を積まれていらっしゃいます。中国の四川大学に2年半留学し、現地の料理店で修行を積み、もちろん四川飯店グループでも修行をした上での正統な後継者として頑張られていらっしゃいます。
ちなみに、四川飯店の初代である『陳建民』さんの名前を冠した商品って、なかなか出てこないんでしすよ。四川飯店でさえ出してません。
おそらく、陳建民さんの名前(ブランド)の使用権は、陳建民さんが生前絡んでいた(出資していた?)会社が持っているので、四川飯店でさえも簡単に商品に『陳建民』の名前を使えないのでは?と推測します。
千葉の四川食品工業というところから『陳建民 三種の秘伝醤』という商品が出てますが、この四川食品工業は陳建民さんが生前絡んでいた(出資していた?)会社っぽいですし。ここが陳建民さんの名前の使用権を持っているのかもしれませんね。
まあ、これはあくまでも僕の推測でしかありませんことをお断りしておきます。
飲食店や食品業界って、名前や店名の使用をめぐって似たようなケースが非常に多いですね。 しかも、身内の中でが多いです。
僕はそういう裏を調べるのが好きなので、ついつい。
まあ、名前(ブランド)なんてどうでもいいんです。 美味しければそれが全て。(ビジネスともなるとそうはいかないでしょうけど)
話を商品に戻します。
パッケージ裏面には陳建太郎さんのプロフィールが書かれています。

一瞬、陳建一さんの写真かと思った! お父さんに似てきましたね。
『四川飯店秘伝の豆板醤や甜麺醤を使用しております。四川省特産の山椒の香りをお楽しみください』という点は、陳建一さんヴァージョンと変わっていません。
四川飯店秘伝の豆板醤が使われているということは『ピーシェン豆板醤』も使われているということでしょうね。
要冷蔵の商品ですが、4食分が作れて、329円は安いですね。
ひき肉入りなので、豆腐を用意するだけでOK。
賞味期限も長め(冷蔵で、少なくとも1ヶ月以上)
原材料をチェックしてみましょう。

確かに、四川飯店の監修が入っているような原材料です。
原材料は本格的です。 砂糖が入っていないのがいい!! さすがわかっていらっしゃる。 麻婆豆腐に砂糖は必要ないんです。 入れるとしても隠し味程度で、元祖のレシピには砂糖は入っていません。
麻婆豆腐の甘味は豆腐や肉や油などの食材から出る自然な甘みで十分なんです。
しかし、四川飯店のレシピには甜麺醤は必ず入っていますね。このあたりは伝統なのでしょうか。
四川飯店の創始者『陳建民』さんが、日本で麻婆豆腐を作るにあたり、本場の材料が手に入らなかったので豆板醤の代わりに味噌や、豆豉の代わりに八丁味噌を使ったりしたらしいです。さらには当時の日本人は辛い食べ物に慣れていなかったので、甘いアレンジで作ったのが日本式麻婆豆腐となりました。唐辛子は使っていたようですが、花椒なんてもちろん入っていませんでした。(入手できなかったのもあるでしょうし、仮に入れたとしても当時の日本人からは完全に敬遠されたでしょうね。)
なので、四川式と日本式の麻婆豆腐は別物なのです。(僕の中では)
肉は最初から入っていますが、豚肉です。四川飯店系の麻婆豆腐って、豚肉で作ることが多いようなので、この辺も四川飯店のレシピに近いかもしれません。
別添花椒粉の原材料が『香辛料』となっているので、花椒だけじゃないのかな?と思いましたが、中身を見る限りでは花椒100%です。

「激辛」と書かれていますが、厳密に言えば、花椒の刺激に関しては「激辛」よりも「激痺」の方が適切な表現かもしれません。
花椒粉を加えた場合に辛さレベルが1段階アップすると記載されていますが、これも「痺れレベルがアップ」とした方がより適切かもしれません。

ただし、唐辛子の辛さ(辣味)も花椒の痺れ(麻味)も、よく一緒に「辛い」として表現されることがあります。一般消費者は花椒の痺れにあまり馴染みがないため、「辛い」と表現する方が伝わりやすいのかもしれません。

花椒粉は、四川産の花椒を使用しているようです。 本格的ですね!
ちなみに、陳建一さん時代のものと原材料を比べてみましたが、全く変わっていませんでした。
パッケージを変えただけですね。

中身はこんな感じです。
具と花椒のセットで、2人前が2セット入っています。

使う豆腐は300グラムとなっていますが。僕は350グラム入れます。(本当は400g入れたい)
これは、僕がよく麻婆豆腐に使う『アサヒコ』社の木綿豆腐です。(これはスーパーLIFEのPBですが)

麻婆豆腐は豆腐にこだわりたいです。
豆腐ひとつで味が大きく変わるものですからね。ただ、高ければいいというものでもありません。値段の高い豆腐は味が濃すぎて、主張が強くなりすぎてしまいます。かといって、安すぎる豆腐は風味が物足りず、麻婆豆腐の味を壊してしまうこともあります。
バランスを考えると、1丁100円〜150円くらいの豆腐がちょうどいい気がします。ちなみに、この「LIFE」の豆腐は税込129円でした。
僕の好きなアサヒコ社製で、消泡剤不使用なのも良いです。
僕の場合、豆腐は包丁でカットせず手でちぎって入れます。そのほうが見た目がワイルドになるし、断面が不規則になることで麻婆ソースがよく染み込み、絡みやすくなるんです。
基本的には豆腐を用意するだけでOKですが、パッケージには「仕上げに刻みネギを入れると風味が良くなり、味が締まります」と書かれています。彩りも良くなりますしね。
でも、僕は本場風にしたいので、ネギではなく「葉にんにく」を入れます。
油は、2人前に対して大さじ2杯。多く感じるかもしれませんが、元祖の麻婆豆腐のレシピでは2人前に対して100ccの油を使うことになっています。それに比べると、むしろ少ないくらいです。
麻婆豆腐は油をしっかり使う料理。でも、今回はレシピ通りに大さじ2杯で作ります。

仕上げに葉にんにくを投入して完成!

盛り付けたらこんな感じ。 少ない。
ちなみに、これが作った量の半分(1人前)です。

まあ、僕の場合、麻婆豆腐は豆腐1丁(350〜400g)で1人前と考えています。
ただ、これは麻婆豆腐を主食として食べる場合。
一般的な家庭のように「おかずの一品」として食べるなら、豆腐1丁で2人前と考えてもいいかもしれません。
この麻婆豆腐は初めて食べるわけではないので、味はわかっていましたが……
改めて食べても、美味しい!
本格的な風味を出しつつも、麻辣を控えめにして万人受けするバランスに仕上げている感じです。
添付の花椒粉を入れなくても、もともと花椒は入っています。
ただ、風味は感じられるものの、麻辣はかなり弱め。
では、別添の花椒を追加してみましょう。

しかし、痺れはそれほど変わりませんでした。
でも、花椒を別添することで、麻辣好きな人にもとりあえず納得させるようになっています。
下手に麻辣を強くしすぎないのが、ロングセラーの秘訣なのかもしれませんね。
豆板醤の風味も良く、豆豉や豆板醤が強すぎず、隠し味のニンニクがちゃんと活きています。
しょっぱすぎず、白飯の邪魔をしない程よい甘みと抑えられた麻辣のおかげで、全体のバランスが取れています。
(……僕には物足りないですけどね!)
ちょっとぬるかったので電子レンジで再加熱しました。

すると……
加熱によって油と水分が出て、見た目がいい感じに!!
僕は猫舌ですが、麻婆豆腐は熱々じゃないとダメなんです!
口の中を火傷するほどの熱さをフーフーしながら食べるのが最高。
この麻婆豆腐は、ちゃんと白飯にも合います。
四川風の雰囲気を残しつつ、日本人向けにアレンジされていて、ロングセラーなのも納得。
こういう商品が一般のスーパーで手軽に買えるのは、ありがたいですね。
僕は中国製の麻婆豆腐の素のほうが好きですが、中国製を敬遠する人も多いので、そういう方にはこれをおすすめしたいです。
値段も中国製並みに安い!
ちなみに、今回はスーパーマーケット「OK(オーケー)」で購入しました。
価格は税込329円。
肉も入っているので、基本的には豆腐を用意するだけ!
(お好みでネギか葉にんにくをプラス。あ、白飯は必須です!)
この『日本ハム 中華名菜 四川飯店監修 四川辛口 麻婆豆腐』は、本格麻婆豆腐入門的な感じだと思います!
麻辣が苦手な人でもいけるんじゃないかと・・・・
本格的な麻婆豆腐を食べてみたいならこれ↓ですね。
美味しく作る時は、肉選び、豆腐選びがポイントになりますが、ここでは割愛します。
<了>
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